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- 日・チェコ交流シンポジウムを開催して
- 2010年9月20~21日に、プラハ市郊外BysiceにあるLiblice Castleにて開催されました。日本側からは22名、チェコ側からは約50名が参加いたしました。シンポジウムのタイトルはCzech-Japan Joint Symposium for Animal Reproduction, "From Gametes To Stem Cells"で、基礎から応用まで4つのセッションから構成されました。口頭発表としては日本(SRD)側から11演題(計22演題)、ポスター発表としては、SRD側から9演題(計21演題)の発表がなされました。ポスター発表では審査が行われ、的場章悟さん、中村隼明さん、Vodickova-Kepkovaさんの計3題が優秀発表賞に選出されました。Conference Dinnerの際に表彰されました(商品は銘柄?ワイン)。
一連のプログラムを通じて、SRD会員の最新の研究成果を紹介でき、また、チェコの研究活動の進展を再認識できたと思います。日本はクローン等の応用研究が、チェコは幹細胞関連の研究を重要視しているような印象を受けました。個人的な感想を申せば、初めてチェコを訪問した約20年前と現在とではだいぶ変わりました。当時は研究機材も乏しく、試薬も容易には入手できない状態でした(しかし、研究のアウトプットはたくさんあり、研究はアイディアと努力であることを痛感したことを憶えています)。今日、そのようなことは微塵も感じないほど研究環境が良くなっているようです。発展ぶりはおそらくチェコの若手研究者でも理解できないかもしれません。今ではベテランとなっているJanやJosefといった、当時の第一線の研究者たちがチェコの研究をリードしてきた結果だと思われます。
本シンポジウムでは、SRDとしては初となる「若手研究者経費支援」事業を行いました。ポスター発表の方を対象にしています。事前審査の結果、申請された6名の方々が選ばれました。現地にて眞鍋理事長より支援金が授与されました。これらの方々には所感を寄せていただいております、近日中に掲載を予定しています。
今回のシンポジウムでは、あわせてJohan Gregor Mendel medalの授与式が行われました。受賞者は岸本健雄・東京工業大教授です。かのメンデル博士を記念した権威ある賞となります。先生は、卵を用いた細胞周期研究では世界で第一人者であることはここで書き記す必要もございません。同じく発生生物学の一端を担う者々としてたいへん誇りに思います。SRD会員一同、心よりお祝い申しあげます。
なお、第2回の交流シンポジウムは2年後の2012年9月に実施することを申し合わせました。今回以上に盛会になるよう準備したいと思います。
最後に、今回参加をしていただきました方々をはじめ、ご協力いただきました皆様に心よりお礼申しあげます。
- 2010年9月 渉外担当 菊地和弘