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第108回帯畜大大会 男女共同参画推進ランチョンセミナー報告

  •  平成27年9月18日 SRD男女共同参画推進委員会
  •  第108回宮崎大大会では、“「私たちの研究スタイルとライフスタイル」〜私たちはこんなふうに研究を続けてきました〜”というテーマでランチョンセミナーを開催しました。セミナーでは、

  • ・九州大学医学研究院応用幹細胞医科学部門
       准教授  今村拓也 先生
  • ・帯広畜産大学畜産フィールド科学センター
       准教授  川島千帆 先生

  • 以上のお二人をお迎えして、学位を取得されてから現在のご職位に着任されるまでの研究や生活の様子を伺いました。お陰様で、100 名を超える会員にご参加頂き盛会のうちに終了することができました。また、セミナーには、20代、30代、40代以上の会員の方々がほぼ同数ご参加くださり、多様な世代、多様なポジションの方々に広く関心をお寄せ頂きましたことに心より御礼申し上げます。

  • 川島先生のセミナーの様子
    川島先生のセミナーの様子
    最後はお子様とご一緒の写真をご披露
     川島先生からは、一般企業にご就職された後、帯広畜産大学で学んだ研究経験が忘れられずに研究員として帯広畜産大学に戻られたこと、学位を取得し現職にご着任されたことなどをお話し頂きました。その間の大きなライフイベントとして、ご結婚・ご出産されたことについてもお伺いすることができました。川島先生は、ご懐妊中に頑張って働きすぎてしまい入院を余儀なくされてしまったそうで、その際、研究室の方々が助けてくれたことなど心温まるエピソードも交えてお話し頂きました。一方で、妊娠・出産・育児とキャリア形成を両立させるためには、現状の制度とは別の支援制度が必要とのご提案がありました。川島先生は、現在、子育てにお忙しい傍ら、これまでのご経験を基に「無理をしない」「(何が起こるかわからないので)締切りよりも早く仕事を終わらせる」ことを心がけていらっしゃるようで、キャリアを形成されるためにご自身の流儀を工夫・確立されている点がとても印象的でした。

  • 今村先生のセミナーの様子
    今村先生のセミナーの様子
    留学・ポスドク経験と研究力についてお話中
     今村先生には104 回大会でも話題を提供して頂き、その際は任期付の准教授というご職位で「次のポストが欲しい」とおっしゃっていました。今回はその後のお話を伺うことができました。その当時は大変な窮地であったかと思われますが、指導していた大学院生に学位を取得させ、研究者を育成されてこられたお話を聞き、今村先生のお人柄が伝わって来ました。いくつかの苦難を乗り越え、現職にご着任された今村先生のご経験から、若い研究者が国内外で多くの研究経験を積むことの重要性、こうした研究者を受け入れるポスト作りの重要性が訴えられました。一方、過去の男女共同参画推進セミナーの「ダブルインカムのすすめ」に影響を受け(?)、奥様はアカデミックポストにお勤めとのことです。今村先生と奥様とは研究分野が異なりますが、奥様の専門知識をご自身の研究のためにお借りすることもあるようで、二人三脚で研究と生活を充実させてこられた、その一端を垣間見ることができました。

  •  セミナーの事後アンケートでは、「勇気がわく」「共感できる」などの声が多く、大変ご好評を頂きました。川島先生と今村先生には改めてお礼申し上げます。お二人の先生に提起頂いた問題は、学会員で共有するとともに、当学会が加盟している男女共同参画学協会連絡会にも挙げていきたいと思います。また、今後も多くの会員に色々な話題を提供して頂き、老若男女を問わず学会員が今よりも発展していくための一助になれば幸いに思いました。
  • 報告者:男女協同参画推進委員長 尾畑やよい