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第14回若手企画シンポジウム 報告

  •  第106回日本繁殖生物学会東京大会(東京農工大)で開催された第14回若手企画シンポジウムについてご報告いたします。

  •  学会の醍醐味として“質疑応答”が挙げられます。近年では、「若手研究者や学生からの質問がなく、学会に活気がない」とご指摘を受けることも多々あります。この状況をどうにかできないか、突破口はないか・・・。そこで、今年の若手企画シンポジウムでは、その「質疑応答・議論」について参加者の皆さんと一緒に考える企画を開催しました。

  • 『若手の学生・研究者の皆様、学会の口頭発表を聴いているとき、「質問したいけど、自分は学生だからな・・・」「質疑応答は先生方がやるものでしょ」「聞きたいけど、気になることあるけど、自分の質問って変かもしれないから質問できない・・・」など思ったことありませんか?』
     総合司会者・平尾先生のこのような問いかけのもと、熱い進行で会は進んでいきました。「なぜ質疑応答をする必要があるのか」という大きな議題について、会場の多くの先生方を巻き込み、様々な意見や考え方を引き出してくれました。
  • 「質疑応答・議論」について参加者の皆さんと一緒に考える企画を開催した時の写真 一枚目

  •  また、今大会の口頭発表プログラムにおいて「これは!」という質疑応答を繰り出した方に対して若手企画シンポ内で「優秀議論賞(仮)」を表彰させて頂きました。受賞記念品は、学会ロゴマーク入りの特製USBです(これは中々高評価でした)。
    さて、気になる受賞者ですが・・・
  • 「質疑応答・議論」について参加者の皆さんと一緒に考える企画を開催した時の写真 二枚目

  • 優秀議論賞(仮)受賞者の方々:
  • 名古屋大学 家田 菜穂子さん
  • 名古屋大学 難波 陽介さん
  • 名古屋大学 後藤 哲平さん
  • 名古屋大学 美辺 詩織さん
  • 岡山大学 羽柴 一久さん
  • 岡山大学 吉岡 伸さん
  • 東京農業大学 田崎 秀尚さん
  • 明治大学 吉田 彩舟さん
  • 明治大学 菅野 尚子さん
  • 明治大学 上春 浩貴さん
  • 東京大学 中村 翔さん
  • 京都大学 浜崎 伸彦さん
  • 基礎生物学研究所 中村 隼明さん
  • 東京大学 前多 敬一郎先生
  • 東京大学 眞鍋 昇先生
  • 岡山大学 奥田 潔先生
  • 岩手大学 高橋 透先生
  • 農業生物資源研究所 野口 純子先生
  • 農業生物資源研究所 菊地 和弘先生
  • 優秀議論賞(仮)を発表している時の写真

  • となりました。本当におめでとうございます。また、大変活発な議論を頂き、本当に有難うございました。
  •  受賞者は若手研究者・学生だけではなく、失礼ながらも先生方からも選ばせて頂きました。この「優秀議論賞(仮)」は、確定された賞ではなく、皆さんとこれから創り上げていく賞だから“仮”なのです。何が“優秀な”議論なのか、どうやって“議論”を評価したら良いのかなど、これからも皆さんと共に創り上げていきたいと、若手企画グループ一同、考えています。

  •  会場では例年同様に充実したビールなどのアルコール飲料や軽食が振舞われました。今回は名簿上170名ほどの方々に参加していただきました。参加していただいた皆さん全員に、若手企画グループ一同、心より感謝致します。

  •  今後も会員のみなさんの意見を取り入れつつ、大会恒例のシンポジウムとして発展させていきたいと考えています。次回の帯広大会で予定している第15回シンポジウムにもぜひご参加下さい。本企画についてご意見等ありましたら、最寄りの若手奨励策検討委員までお知らせください。

  •  最後に、大会運営に協力していただいた若手シンポ企画グループのみなさんに厚く御礼申し上げます。



  • 「優秀議論賞(仮)」受賞者の皆様の声
  • 名古屋大学大学院 生命農学研究科生命技術科学専攻
  • 家田 菜穂子さん

  •  この度の繁殖学会では、若手企画シンポジウムから「優秀議論賞(仮)」という、大変励みになる賞をいただきました。初めての試みを企画してくださった皆様に、まずお礼を申し上げます。これまでの学会ではやはり「先生方の質疑が終わってから…」「分野外の何も分かっていない私が発言するのは…」と躊躇し、つい手を挙げるのをやまてしまうことが多かったのですが、今回の繁殖学会では「学生・若手からの質疑応答を奨励します」というアナウンスがあったことで学生でも堂々とマイクの前に立てる雰囲気ができたのだと思います。
  •  私だけでなく、研究グループ内の多数の学生も同じように賞をいただき、名古屋の学生が活発に議論しているとたくさんの先生からお褒めいただきました。私たちのラボではセミナーや成果報告会、毎週のミーティングなどを全て英語で行い、司会進行は学生が交代で務めます。さらに、そのような場で最も頻繁に発言を求められるのは、学部4年生や修士1年など新しく研究室に配属されたメンバーです。新入生ほど知らないことが多いはずだから、分からないなら分からないと示しなさい、というのが研究室の方針です。人数の多少に関わらず、また日本語、英語など使用言語に関わらず、人前で発言するためにはエネルギーが要るものですが、4年生の頃から質疑応答の訓練を受けていたことで今回の学会でも多くの学生が議論に参加することができました。
  •  国際フォーラムや国際学会に出席すると、博士課程の学生が一人前の研究者として発言する姿が頻繁に見られます。一方で、国内の学会では学生が発言する姿はほとんど見ないということを、今回改めて意識しました。学生であっても自分の研究分野の専門家であることを意識し自信を持って発言することは、とても大切な訓練だと思います。今後も優秀議論賞が継続されていくことで、「若手の議論が活発な繁殖学会」という雰囲気がますます盛り上がっていくのではないかと思います。最後に、この賞を初めて企画して下さった若手奨励策検討委員会の皆様に改めて感謝申し上げます。


  • 岡山大学大学院 動物生殖生理学研究室
  • 羽柴 一久さん
  •  今年も若手企画シンポジウムへ参加させていただき、楽しい時間を過ごすことが出来ました。今年の企画は「学会における学生の質疑応答」について考えるものでした。そのなかで、様々な先生方の質問に対する考え方や、本学会で質問をよくされる学生のお話を聞くことができ、大変勉強になりました。また、この企画の翌日の発表では学生からの質問がたくさんあり、より有意義な学会になったと感じています。最後に、このような企画を提案してくださった先輩方に心から感謝します。今後も、このような素晴らしい企画を楽しみにしております。
  •  若手企画シンポジウムの運営、お疲れさまでした。ありがとうございました。