「温故而知新可以為師矣」その8 古い事柄も新しい物事もよく知っていて初めて人の師となるにふさわしいの意(広辞苑) |
【JRD2003年10月号(Vol. 49, No. 5)掲載】
本誌(注.JRD2003年10月号 [Vol. 49, No. 5])の和文ページは編集委員から東京農工大学の渡辺元と、広島大学の吉村幸則が担当する。今回は「温故而知新可以為師矣」シリ−ズのその8として、担当者両委員がそれぞれ研究者として歩みを進める上で強く示唆を受けたお二人の、受賞講演要旨を紹介することで任を果たしたい。
笹本修司先生は、昭和40年から平成7年まで東京農工大学で教鞭を執られるともに、研究では性腺刺激ホルモン、特に卵胞刺激ホルモンの分泌調節機構の解明で、生殖生理学の分野において本学会にもに多大な貢献をされた。その内容は家畜生理学の教科書として名著であった島村家畜生理学(星冬四郎改訂、金原出版)にも一部紹介されている。先生の初期の業績は昭和41年「幼若マウスの誘起排卵反応による性腺刺激ホルモン生物学的検定法に関する研究」で島村賞として表彰された。この時の着想が後に、卵胞刺激ホルモンの特異的分泌抑制物質インヒビンの研究、そして排卵数調節の機序解明へとつながっている。先生は退官後も本学会の名誉会員として学会にもしばしば足を運んでくださっている。今後も厳しい指摘と温かい目で後輩たちを指導していただけるであろう。
渡辺守之先生は、昭和25年から57年まで広島大学で鳥類の人工授精に関する研究を精力的に行われ、この分野の基盤を築かれた。昭和45年度には「家禽の人工授精に関する研究」で佐藤賞を受賞された。残念ながら、先生は平成11年にご逝去なされたが、先生の応用に結びつく研究の展開は、私たちの研究の着想に大切な示唆を与えてくださるものと思い企画した。
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※受賞講演要旨は以下のpdfファイルをご覧下さい。
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・笹本修司先生(家畜繁殖誌12巻2号, 35-43, 1966) [PDF (708K)]
・渡辺守之先生(家畜繁殖誌16巻2号, 39-48, 1970) [PDF (832K)]
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