平成27年度<前期・通年>生物資源ゲノム解析拠点共同研究の募集について

平成27年度<前期・通年>生物資源ゲノム解析拠点共同研究の募集について

東京農業大学生物資源ゲノム解析センターは、 生物資源ゲノム解析拠点として 活動を行っています。 本拠点では、農学分野を中心に、次世代シーケンサーに よる遺伝情報解析研究を推進します。
以下の要領で、共同研究を公募します。
* ホームページ (http://www.nodai-genome.org/gabase/index.html)
H27前期募集要項(PDF, 178KB)
(12 月 20 日は大学のネットワークが停止するため、ホームページは閲覧でき ません。)

基礎生物学研究所IBBP共同利用研究の公募について

IBBP共同利用研究の公募について(基礎生物学研究所)

基礎生物学研究所IBBPセンターではIBBP共同利用研究を公募します。
詳細は添付の公募要項をご覧下さい。

なお、申込みは基礎生物学研究所ホームペー ジの書式を利用してください。
(http://www.nibb.ac.jp/ibbp/collabo/)
※平成27年度共同利用研究の申請書類受付期間:平成26年11月1日〜平成27年1月16日

(1)申請資格
申請をする提案代表者は、国内の教育・研 究機関に所属する研究者であること。

(2)研究期間
平成27年4月1日から平成28年3月31日までの1年間とする。

(3)研究費
大学連携バイオバックアッププロジェクト の予算の範囲内において支出する。
共同利用研究は1件あたり年間上限350万円までとする。
当該年度である平成27年度の研究計画および経費を詳細に記載してください。

(4)申請
本共同利用研究は新規長期保存技術の開発 が生物遺伝資源の安定保存に重要であり、新規モデル生物の樹立にも直接資するとの観点から、国内の教育・研究機関に所属する研究者がIBBPセンターあるいはIBBP大学サテライト拠点の教員と共同して新規 長期保存の樹立を目指すもので、以下の研究が含まれる。

1)長期保存技術が確立していない生物遺伝資源の凍結、低温、常温を含む新規保存技術の開発
2)低温保存技術の改良に資する基礎的な低温生物学的研究
申請書を提出される前に、あらかじめ最も関連があると思われる基礎生物学研究所IBBPセンターあるいは大学サテライト拠点の教授、准教授又は助教と研究課題、研究計画、 必要経費について打ち合わせてください。

(5)申込期限
平成27年1月16日(金)必着のこと。

(6)採否
計画推進委員会の議を経て、計画推進委員会委員長が決定する。

(7)採否の時期
平成27年4月

(8)研究報告書の提出
平成28年4月30日までに提案代表者から研究報告書を計画推進委員会委員長へ提出していただきます。なお、この研究報告書は基礎生物学研究 所IBBPセンター共同利用研究報告書に掲載することを御承知おき願います。
(9)研究成果の発表
共同利用研究の成果を発表される場合には、生物遺伝資源新規保存技術開発共同利用研究によった旨を付記していただくとともに、論文の場合には当該論文の別刷をIBBPセンターに提出していただきます。

(10)申込書送付先
〒444-8585 岡崎市明大寺町字西郷中38
自然科学研究機構 岡崎統合事務センター
総務部 国際研究協力課 産学連携係
電話 (0564)55-7134(ダイヤルイン)
(封筒の表に「生物遺伝資源新規保存技術 開発共同利用研究申込書在中」と朱書すること。)

公募に関する問合せ先
基礎生物学研究所IBBPセンター 電話:0564-59-5930
電子メール:ibbp@nibb.ac.jp



公募要項(PDF, 161KB)

《12月5日締切》 第108回大会シンポジウムおよびワークショップの公募について(会員向け)

第108回日本繁殖生物学会宮崎大会

シンポジウム・ワークショップ 公募要領

第108回日本繁殖生物学会宮崎大会ではシンポジウム・ワークショップの企画、テーマを広く募集いたします。どうぞ奮ってご応募ください。

1.募集期間
2014年10月27日(月)〜12月5日(金) 
2.セッション時間
シンポジウム
2015年9月19日(土)午後1時から3時(宮崎大学木花キャンパス)
  2015年9月20日(日)午前10時から12時(宮崎市民プラザ)

ワークショップ
2015年9月20日(日)午前10時から12時(宮崎市民プラザ)

3.シンポジウム・ワークショップの編成について
オーガナイザー2名、演者1名以上での編成をお願いいたします。 オーガナイザーは、必ず事前に演者の内諾をお取りください。
オーガナイザーは会員のみとし、演者は非会員でも可能です。非会員の演者について、参加費を無料、懇親会にご招待、規程の謝金をお支払いし、さらに旅費のお支払いが必要な場合は大会事務局にご相談ください。



区分参加費参加費懇親会費謝金
オーガナイザー会員のみ自己負担自己負担自己負担なし
演者会員自己負担自己負担自己負担なし
非会員無料 招待要相談あり

4.研究の倫理規定と利益相反規定について
発表する研究は、各研究機関の動物実験指針を含む研究倫理、利益相反指針を遵守している必要があります。

5.応募⽅法
公募シンポジウム・ワークショップ申込書を下記よりダウンロードし必要事項を記入して、
E-mail【gkitahara@cc.miyazaki-u.ac.jp】に、メール表題を【第108回大会公募申込】とし、添付の上、お送りください。
公募シンポジウム・ワークショップ申込書ダウロード (MS-WORD, 88KB)

6.応募テーマの選考について
下記の内容につきまして、予めご了承のほどお願いいたします。
• 応募が多数の場合は、大会事務局にて選考の上、採否を決定いたします。
• 応募内容を考慮し、シンポジウム、ワークショップのいずれかを調整をさせて頂くことがあります。その際は改めて、オーガナイザーに確認を取らせて頂きます。

7.シンポジウムのオーガナイズ及び発表についての留意事項
オーガナイザー、演者共に、一般演題の筆頭演者を1演題のみ兼任可能です。
(必要な場合は別途プログラム委員会にて調整させていただきます)

8.選考結果の通知
大会事務局での選考結果は、2015年1月上旬までにオーガナイザー宛、E-mailでお知らせいたします。



公募要領(PDF, 136KB)
公募シンポジウム・ワークショップ申込書(MS-WORD, 88KB)

平成26年度農業技術功労者表彰のご案内


平成26年度農業技術功労者表彰のご案内

各位

平成26年度農業技術功労者表彰の受賞 者が添付ファイルのように決定しました。
下記日程で授賞式が開催されますのでご案内いたします。

日時:12月19日(金曜日)  11:00-12:00に授賞式、 12:30-13:30に祝賀会
(会費無料)
場所:三会堂ビル石垣記念ホール

関係する学会にお知らせし、受賞者とご縁のある方々の ご出席をお願いする次
第です。

今年の受賞者は
宮崎県 安藤 孝(防除 残留農薬)
長野県 牛山 智彦(作物 麦育種)
千葉大学 大江 靖雄(農業経営)
京都大学 近藤 直(農作業自動化 センシング)
兵庫県 野田 昌伸(畜産 但馬牛)
千葉県 日坂 弘之(食品・作物 落花生 葉菜鮮度保持)
福島県 吉岡 邦男(原発事故 放射能汚染対策)

以上の7名です。

農林水産技術会議会長 三輪 睿太郎


[プレスリリース]
農林水産技術会議/平成26年度「農業技術功労者表彰」受賞者の決定について
http://www.s.affrc.go.jp/docs/press/141125.htm
<添付資料>下記は外部サイト(農林水産省)へのリンクとなっています
(資料1)農業技術功労者表彰について(PDF:188KB)
(資料2)農業技術功労者表彰受賞者の業績の概要及び評価のポイント(PDF:1,542KB)
(資料3)農業技術功労者表彰選考委員会委員名簿(PDF:180KB)

平成27年度日本中央競馬会畜産振興事業 公募のお知らせ

平成27年度日本中央競馬会畜産振興事業 公募のお知らせ

JRAでは、畜産の現場で役立つ実用的な技術の研究開発や調査研究等への助成を行っております。

現在、平成27年度に実施する事業の公募を行っております。
公募期間は平成27年1月13日まで、応募できる方は大学や高等学校、公益社団法人や公益財団法人、一般社団法人や一般財団法人等です。
(国や地方公共団体の機関、独立行政法人からはご応募いただけません)

詳しくは下記ホームページをご覧ください。

 http://company.jra.jp/0000/chikusan/kobo/kobo.html

なお、公募要領は農林水産省ホームページにも掲載しています。
 http://www.maff.go.jp/j/chikusan/keiba/lin/index.html#jra_koubo

第108回大会シンポジウムおよびワークショップの公募について(会員向け)

第108回日本繁殖生物学会宮崎大会

シンポジウム・ワークショップ 公募要領

第108回日本繁殖生物学会宮崎大会ではシンポジウム・ワークショップの企画、テーマを広く募集いたします。どうぞ奮ってご応募ください。

1.募集期間
2014年10月27日(月)〜12月5日(金) 
2.セッション時間
シンポジウム
2015年9月19日(土)午後1時から3時(宮崎大学木花キャンパス)
  2015年9月20日(日)午前10時から12時(宮崎市民プラザ)

ワークショップ
2015年9月20日(日)午前10時から12時(宮崎市民プラザ)

3.シンポジウム・ワークショップの編成について
オーガナイザー2名、演者1名以上での編成をお願いいたします。 オーガナイザーは、必ず事前に演者の内諾をお取りください。
オーガナイザーは会員のみとし、演者は非会員でも可能です。非会員の演者について、参加費を無料、懇親会にご招待、規程の謝金をお支払いし、さらに旅費のお支払いが必要な場合は大会事務局にご相談ください。



区分参加費参加費懇親会費謝金
オーガナイザー会員のみ自己負担自己負担自己負担なし
演者会員自己負担自己負担自己負担なし
非会員無料 招待要相談あり

4.研究の倫理規定と利益相反規定について
発表する研究は、各研究機関の動物実験指針を含む研究倫理、利益相反指針を遵守している必要があります。

5.応募⽅法
公募シンポジウム・ワークショップ申込書を下記よりダウンロードし必要事項を記入して、
E-mail【gkitahara@cc.miyazaki-u.ac.jp】に、メール表題を【第108回大会公募申込】とし、添付の上、お送りください。
公募シンポジウム・ワークショップ申込書ダウロード (MS-WORD, 88KB)

6.応募テーマの選考について
下記の内容につきまして、予めご了承のほどお願いいたします。
• 応募が多数の場合は、大会事務局にて選考の上、採否を決定いたします。
• 応募内容を考慮し、シンポジウム、ワークショップのいずれかを調整をさせて頂くことがあります。その際は改めて、オーガナイザーに確認を取らせて頂きます。

7.シンポジウムのオーガナイズ及び発表についての留意事項
オーガナイザー、演者共に、一般演題の筆頭演者を1演題のみ兼任可能です。
(必要な場合は別途プログラム委員会にて調整させていただきます)

8.選考結果の通知
大会事務局での選考結果は、2015年1月上旬までにオーガナイザー宛、E-mailでお知らせいたします。



公募要領(PDF, 136KB)
公募シンポジウム・ワークショップ申込書(MS-WORD, 88KB)

訃報(森裕司会員)

訃報(森裕司会員)

たいへん残念なお知らせですが、森裕司会員(東京大学獣医動物行動学研究室教授)がご逝去されましました。
森先生は、理事、評議員、JRD編集委員長を歴任され、本学会発展のため多大な貢献をされました。
ご冥福をお祈りいたします。

以下、葬祭日時・場所に関しまして謹んでお知らせいたします。

通夜日程:2014年9月21日(日)18時から19時
告別式日程:2014年9月22日(月)11時から12時
葬祭場所(会場名,住所,電話番号) :会場名:府中の森市民聖苑 第3会場
                 住所:東京都府中市浅間町1-3
                 電話番号:042-367-7788

JSTより 課題募集のお知らせ:「機能性食品」「IoTのためのセキュリティ技術」

JSTより 課題募集のお知らせ:「機能性食品」「IoTのためのセキュリティ技術」

本文:
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
日本-NZ共同研究課題「機能性食品」募集のお知らせ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
このたびJSTでは、ニュージーランドのファンディング機関と協力して、比較的小規模な共同研究(日本-NZの研究者の派遣・招聘やシンポジウム・セミナー等の開催を含みます)を支援する以下の事業の課題募集を開始しました。
採択された場合、日本側研究者はJSTから支援期間(24ヶ月)で2080万円を上限として委託研究費を受け取ることができます。。
詳細につきましては募集ホームページをご覧下さい。

日本-NZ共同研究課題
 ■募集分野
 「機能性食品」

 ■応募締切
 平成26年10月20日(月)午後3時

 ■募集ホームページ
 http://www.jst.go.jp/sicp/announce_nz3rd.html

 ■お問い合わせ先
 独立行政法人 科学技術振興機構(JST)
 国際科学技術部
 E-mail:sicpnz@jst.go.jp
 TEL 03-5214-7375
 担当: 伊藤、平川
 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
日本-台湾研究交流課題「IoT(Internet of Things)のためのセキュリティ技術」募集のお知らせ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
このたびJSTでは、台湾のファンディング機関と協力して、比較的小規模な共同研究(日本-台湾の研究者の派遣・招聘やシンポジウム・セミナー等の開催を含みます)を支援する以下の事業の課題募集を開始しました。
採択された場合、日本側研究者はJSTから3年(36ヶ月)総額で1500万円を上限として委託研究費を受け取ることができます。
詳細につきましては募集ホームページをご覧下さい。

日本-台湾研究交流課題
 ■募集分野
 「IoT(Internet of Things)のためのセキュリティ技術」

 ■応募締切
 平成26年10月6日(月)午後5時

 ■募集ホームページ
 http://www.jst.go.jp/inter/kiban/taiwan/proposal/announce_taiwan6th.html

 ■お問い合わせ先
 独立行政法人 科学技術振興機構(JST)
 国際科学技術部
 E-mail:kokusatw@jst.go.jp
 TEL 03-5214-7375
 担当: 伊藤、平川

平成26年度<後期>生物資源ゲノム解析拠点共同研究の募集について

平成26年度<後期>生物資源ゲノム解析拠点共同研究の募集について

東京農業大学生物資源ゲノム解析センターは、 生物資源ゲノム解析拠点として 活動を行っています。 本拠点では、農学分野を中心に、次世代シーケンサーに よる遺伝情報解析研究を推進します。 以下の要領で、共同研究を公募します。
* ホームページ (http://www.nodai-genome.org/gabase/index.html)
H26後期募集要項(PDF, 113KB)

【書評】獣医遺伝育種学 – 佐藤英明 会員

  書評

  獣医学教育モデル・コア・カリキュラム準拠 
  獣医遺伝育種学

    国枝哲夫・今川和彦・鈴木勝士 編集
    発行/2014年5月25日
    ISBN978-4-254-46033-9
    朝倉書店 定価/本体3800円+税

 本書は獣医学教育モデル・コア・カリキュラム(同カリキュラムに関する調査研究委員会編集、平成23年版)に準拠して編集された動物遺伝育種学の教科書であるが、新しいゲノム研究成果を踏まえ、ゲノムー遺伝学-育種学-遺伝性疾患を体系化したものである。獣医学の学生のみならず、応用動物科学系(畜産系)の学生、研究者、技術者及び行政の担当者にもお勧めしたい教科書である。

 獣医学教育モデル・コア・カリキュラムとは「獣医学生が大学卒業時までに身につける必要不可欠な知識と精選した教育内容のガイドラインであって、具体的な到達目標を明示することによって分野ごとの教育内容とレベルを確保することを目的として」「獣医学として教えるべき3分の2程度の内容」を示したものである。なお、残りの3分の1の内容については各大学において充実強化されることが推奨されている。導入教育・基礎獣医学教育分野13科目、病態獣医学教育分野7科目、応用獣医学教育分野8科目、臨床獣医学教育分野23科目が講義科目として並んでいるが、導入教育・基礎獣医学教育分野13科目の1つとして動物遺伝育種学がある。動物遺伝育種学では全体目標の下に6項目(遺伝様式の基礎Ⅰ、Ⅱ、遺伝的改良の基礎、質的形質の遺伝、応用分子遺伝学とその実践、動物の遺伝性疾患)が、一般目標と到達目標とともに述べられている。

 本書をみると演習問題を含め、動物遺伝育種学モデル・コア・カリキュラムのガイドラインの構成にほぼ忠実に沿って編集されていることがわかるが、これを具体化した編者・著者の意欲的な取り組みを高く評価したい。

 一方、本書を細かく読むと、編者の独自性も推察される。すなわち、第3章と第4章の順番が逆転し、第6章家畜の品種と遺伝的多様性が追加され、動物の遺伝性疾患が概論(第7章)と各論(第8章)に分けて記述されている。これは各大学で独自に追加すべき3分の1の内容を意識して編集した結果とも推察される。そして、うがった見方をすると本の表題を「動物遺伝育種学」ではなく「獣医遺伝育種学」にしたことに編者らの独自の考えがあるのではないかと推察される。

 獣医学教育モデル・コア・カリキュラムでは動物遺伝育種学は導入・獣医学基礎科目1単位の科目として位置付けられ、実習科目には含まれていない。一方、畜産学においては教育モデル・コア・カリキュラムのような統一基準は設定されておらず、カリキュラムは各大学の独自性にまかされている。しかし動物遺伝育種学は畜産学の基幹科目2単位であり、関連科目もあり、更に実習も大きなウエイトを占めている。これが多くの大学の畜産学に共通した考えである。また、畜産学で使われている動物遺伝育種学の教科書においては、個体よりも集団、質的形質よりも量的形質に重点がおかれ、遺伝性疾患は淘汰すべき形質として扱われている。畜産学では動物遺伝育種学分野の大学院への進学者も多く、畜産行政を担う人材の養成部門ともなっている。私は畜産学の教育研究の充実は畜産のみならず獣医学における動物遺伝育種学の3分の1の内容の強化をもたらすと考える。本書には畜産学との共存が獣医学強化につながるとの考えが反映しているように思われる。すなわち本書が動物遺伝育種学ではなく獣医遺伝育種学とされたのは畜産学への期待があるからではないかと推察される。

 改めて畜産学分野の動物遺伝育種学の教科書を検索してみたが、基幹科目であるにもかかわらず出版数は意外に少ない。すぐれた教科書があって、初めて当該分野の教育研究は定着し発展すると思われる。本書は5名の優れた動物遺伝育種学分野の研究者によって執筆されている。どちらかというと獣医学よりも畜産学に基盤をもつ研究者が多い。本書を執筆された方々が中心となっての畜産学分野での教科書出版に期待したい。それぞれの研究者が自らの考えを簡潔に次世代向けに表現し、多くの研究者の目に曝され、批判を受けることが動物遺伝育種学の展開に必須である。また、そのことが獣医学において各大学の努力によって追加されるべき3分の1の講義内容をより充実することにつながると考える。

 動物の遺伝性疾患の各論を読むと産業動物では、遺伝性疾患の診断法の確立、キャリアの同定で終わり、淘汰を前提として記述されている。伴侶動物でも遺伝性疾患の診断法、キャリアの同定が述べられているが、遺伝性疾患の診断の進んだ血友病、ムコ多糖症では遺伝性疾患の多様性や治療法が述べられている。すなわち伴侶動物では遺伝性疾患を淘汰ではなく治療の対象として取り扱っている。

 ゲノム研究の進んだヒトでは胎児の遺伝子診断のみならず、受精卵の遺伝子診断も行われるようになり、堕胎や胚の選別・移植も可能となり、その是非について議論が活発化している。遺伝性疾患の診断が進めば、伴侶動物においては再生医療や遺伝子治療も課題になるだろう。どのような遺伝性疾患を動物集団から排除するか、どのような遺伝性疾病をどのような治療によって助けるのか、などの議論が発生するに違いない。個体の遺伝子改変が究極の遺伝子治療として登場するかもしれない。

 遺伝性疾患を淘汰すべきか、治療すべきか、遺伝子改変による治療を認めるかなどについてどのように講義するかは当然ながら今のところ共通認識はない。教える側の考えが問われる問題である。このような点も各大学の判断で独自に追加すべき3分の1に含まれるだろう。また、獣医学教育モデル・コア・カリキュラムには倫理学の講義科目はないが、獣医遺伝育種学の進展により、例えば「獣医医療倫理学」などの科目の追加も考える必要がでてくるのではないかと予想される。

 いずれにしても話題豊富な教科書の出版である。

(佐藤 英明 会員)

印刷用PDFファイル(65KB)