Volume 48, Number 4 (2002)


ウマ(サラブレッド)マイオスタチンcDNAのクローニングと血清中マイオスタチン前駆タンパク質の検出(J. Reprod. Dev. 48: 335-342, 2002)

細山 徹1)・川田茂雄2)・鴛海良輔3)・米田幸江3)・添田知恵4)・山内啓太郎5)・長谷川晃久6)・石田信繁6)・向山明孝6)・石井直方2)・舘 鄰3)

1)千葉大学理学部・生物学科・分子細胞生物学研究室
2)東京大学大学院・総合文化研究科・生命環境科学系身体運動科学教室
3)麻布大学獣医学部・動物応用科学科動物工学研究室
4)東京大学医科学研究所ヒト疾患モデル研究センター・細胞機能研究分野
5)東京大学大学院・農学生命科学研究科・獣医学専攻獣医生理学研究室
6)日本中央競馬会競走馬総合研究所・生命科学研究室

 TGF-βファミリーに属するGDF-8(Growth/Differentiation Factor 8)は、発生途上のマウス筋節の筋前駆細胞や、成体の骨格筋において特異的に発現している。GDF-8は骨格筋量調節のネガティブレギュレーターとして機能していることを示唆する事実が知られており、現在では、マイオスタチンと呼ばれている。ウマやヒトを含む哺乳動物のフィジカルトレーニングによる骨格筋量増加の機構解明の一環として、我々はRT-PCR法を用いてウマ(サラブレッド)骨格筋からマイオスタチンcDNAをクローニングした。ウママイオスタチンcDNAのORF領域の塩基配列は、これまでに報告されている他のマイオスタチンと高いホモロジーを示した。ウマのマイオスタチンの推定アミノ酸配列と他種のマイオスタチンのそれとの比較の結果、4種類のアミノ酸がウママイオスタチンに特異的であった。抗マイオスタチン特異的抗体を用いたウマ骨格筋のウエスタンブロット解析の結果、二つのバンドの存在が確認された。一つのバンドは約26 kDaに位置し、恐らく成熟型マイオスタチンタンパク質であると考えられる。また、もう一つのバンドは約50 kDaに位置し、恐らくプロセシングを受けていない前駆体マイオスタチンタンパク質であると考えられる。異なる2品種(サラブレッドおよび木曽馬)から得たウマ血清のウエスタンブロット解析の結果、比較的高レベルで、マイオスタチン抗体に反応するマイオスタチン前駆体様タンパク質の発現が確認された。このタンパク質の同定、ならびに生物学的意味については現在解析が進行中である。

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雄ゴールデンハムスターの成長過程における精巣機能とインヒビン分泌(J. Reprod. Dev. 48: 343-353, 2002)

伊藤麻里子1)・岸 久司2)・大島健一3,4)・河津理子3)・金 万洙3,5)・和田さち子3)・斉田栄里奈3,5)・中野彩惠子2)・花井小百合3)・鈴木 明6)・渡辺 元3,5)・田谷一善3,5)

1)京都大学霊長類研究所
2)独立行政法人農業生物資源研究所
3)東京農工大学農学部・獣医学科・家畜生理学研究室
4)東京農工大学農学部・硬蛋白質利用研究施設
5)岐阜大学大学院連合獣医学研究科・基礎獣医学講座
6)国立環境研究所・毒性・影響評価研究チーム

 雄ゴールデンハムスターの成長に伴う精巣機能を明らかにすることを目的として、血中、下垂体中および精巣中各種ホルモン含有量の測定、精巣の形態的観察、免疫組織化学法によるインヒビンα鎖と3β-ハイドロキシステロイドデヒドロキナーゼの精巣内局在性の証明および精子頭部数の測定を行った。その結果、インヒビンα鎖は、発育初期のライディッヒ細胞とセルトリー細胞に局在が認められた。セルトリー細胞でのインヒビンα鎖の局在性は、精上皮周期に伴って、変化が認められた。血中テストステロン濃度および精巣中テストステロンとインヒビン含有量は、精巣に精子が出現する約10日前の25日齢前後から上昇した。一方、血中インヒビン濃度は、1日齢から10日齢にかけて上昇し、ピークに達した。血中インヒビンとFSH濃度の負の相関関係は、10日齢から認められた。血中および下垂体中LHとFSH含有量は、15日齢から上昇し、40日齢までに成熟動物レベルに達した。以上の結果から、インヒビンは幼若期においてもFSH分泌調節に重要な抑制因子として作用すること、およびFSHは精子細胞数を増加させる作用を有するものと推察された。また、インヒビンは、FSH分泌抑制因子としての内分泌作用に加えて精巣内での傍分泌と自己分泌作用により造精機能を調節する可能性が示唆された。

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繁殖期における雌ニホンザル正常月経周期中のインヒビンAとインヒビンB分泌(J. Reprod. Dev. 48: 355-361, 2002)

清水慶子1)・児嶋千尋2)・近藤昌弘2,3)・金 万洙2,3)・伊藤麻里子1)・渡辺 元2,3)・Nigel P Groome4)・田谷一善2,3)

1)京都大学霊長類研究所・分子生理部門
2)東京農工大学農学部獣医学科家畜生理学教室
3)岐阜大学大学院連合獣医学研究科基礎獣医学連合講座
4)School of Biological and Molecular Sciences, Oxford Brookes University

 雌ニホンザルの正常月経周期中におけるインヒビン分泌様式を明らかにする目的で、ELISA法により血漿中インヒビンAおよびインヒビンB濃度を測定した。さらに、血漿中FSH、LH、およびステロイドホルモン濃度を測定した。実験には、正常月経周期を回帰する成熟雌ニホンザル4頭を用いた。血漿中インヒビンA濃度は、卵胞期で低く、黄体期に高くプロジェステロン濃度の変化と正の相関を示した。血漿中インヒビンB濃度は、卵胞期初期で高く、卵胞期後期には次第に低下し、黄体期では低値を維持した。卵胞期中期における血漿中インヒビンB濃度とFSH濃度との間には、有意な負の相関が認められたが、インヒビンA濃度とFSH濃度との間には相関は認められなかった。以上の結果から、雌ニホンザルの正常月経周期中における血中インヒビンAおよびインヒビンBは異なった分泌パターン、すなわち卵胞期初期から中期ではインヒビンBが高値を示し、黄体期ではインヒビンAが高値を示すことが判明した。さらに、FSH濃度との相関関係から、卵胞期中期では血中インヒビンBが下垂体からのFSH分泌抑制に強く関与していることが示唆された。また、黄体期では、インヒビンAの分泌源は黄体であると推察された。

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妊娠ゴールデンハムスターの卵胞発育における基底レベルのLHの役割(J. Reprod. Dev. 48: 363-369, 2002)

大島健一1,2)・伊藤麻里子3)・岸 久司4)・渡辺 元1,5)・金 万洙1,5)・斎田栄里奈1,5)・鈴木 明6)・Paul F. Teranova7)・田谷一善1,5)

1)東京農工大学農学部・獣医学科・家畜生理学研究室
2)東京農工大学農学部・硬蛋白質利用研究施設
3)京都大学霊長類研究所分子生理部門
4)独立行政法人農業生物資源研究所・家畜ゲノム研究グループ
5)岐阜大学大学院連合獣医学研究科
6)国立環境研究所毒性・影響評価研究チーム
7)Center for Reproductive Sciences, University of Kansas Medical Center, Kansas City, Kansas 66160, USA

 ゴールデンハムスターの妊娠後半期における基底レベルのLHの役割を明らかにする目的で、LHの抗体(A/LH)投与による内因性LH中和実験を行った。血中各種ホルモン濃度の測定、卵巣の形態的観察、免疫組織化学法によるインヒビンα鎖、アロマターゼおよび17β-hydroxylase/C17,20lyase(CYP17)の卵巣内局在の証明およびヒト絨毛性性腺刺激ホルモン投与による排卵誘起法による排卵可能な大型卵胞数の測定を行った。その結果、大型卵胞数は、A/LH投与群(7.0±3.4, n=3)では、対照群(34.6±4.8, n=5)に比べて有意に減少した。A/LH投与24時間後には、多くの大型卵胞に変性像が認められた。A/LH投与24時間以内に血中インヒビンおよびエストラジオール濃度は、有意に低下したが血中プロジェステロンおよびテストステロン濃度には変化は認められなかった。インヒビンα鎖は、健常卵胞と初期変性卵胞の顆粒層細胞に局在が認められた。アロマターゼは、健常卵胞の顆粒層細胞に局在が認められ、変性卵胞では、その反応が著しく減少した。CYP17は、健常卵胞の卵胞膜内膜細胞に局在が認められたが、変性卵胞には、局在は認められなかった。以上の結果から、ゴールデンハムスターの妊娠後半期における多数の大型卵胞の発育には、基底レベルのLHが重要な役割を演じているものと推察された。

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エジプトにおける乳牛の特に繁殖機能に関連した、子宮内膜炎の要因(J. Reprod. Dev. 48: 371-375, 2002)

Mohamed Ghanem1)・Abedel Hamid Shalaby1)・Sayed Sharawy1)・Nashet Saleh1)

1)Theriogenology Department, Faculty of Veterinary Medicine, Suez Canal University

 牛群中の子宮内膜炎の発生率と発生要因および子宮内膜炎がその後の繁殖成績に及ぼす影響は、牛群間および品種間だけでなく、国によっても異なる。それゆえ、これらのいくつかの異なる条件下において、子宮内膜炎の病因を調査することが必要である。この研究は、エジプトのイスマリア州の農業開発プロジェクトで飼育されている牛群で、1996年1月から1997年4月の期間に行なわれた。対象牛は190頭で、年齢は2.5-13歳である。子宮内膜炎の発生率は22.4%で、子宮内膜炎発生の最も重要な要因は、胎盤停滞、死産、飼育者の助産および難産であった。発生率はそれぞれ20.6、19.1、12.3、5.3%であった。初産牛は、経産牛に比べ子宮内膜炎の発生率が高かった(27.7%)。秋に分娩した牛はその他の時期に分娩した牛よりも、子宮内膜炎の発生率が高かった(31.2%)。子宮内膜炎と診断された牛は、正常な牛よりも繁殖成績が低かった。子宮内膜炎牛は、分娩から初回授精までの期間が、正常牛に比べ14日間長かった。子宮内膜炎牛の初回授精受胎率(12.5%)と最終受胎率(45.5%)は、正常牛(50%、100%)よりも低かった(P<0.05)。以上のように、エジプトの乳牛における子宮内膜炎の最も重要な発生要因は、胎盤停滞と難産であり、子宮内膜炎は乳牛のその後の繁殖性に悪影響を及ぼしていることが明らかにされた。

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ニホンザル卵巣における神経成長因子(NGF)、およびレセプター(trkA、p75LNGFR)の局在(J. Reprod. Dev. 48: 377- 381, 2002)

清水慶子1)・金 万洙2,3)・児嶋千尋2)・史占全2,3)・近藤昌弘2,3)・伊藤麻里子1)・渡辺 元2,3)・田谷一善2,3)

1)京都大学霊長類研究所・分子生理部門器官調節分野
2)東京農工大学獣医学科・家畜生理学教室
3)岐阜大学大学院連合獣医学研究科・基礎獣医学連合講座

 本研究では、免疫組織化学的方法を用いて、ニホンザル卵巣内における神経成長因子(NGF)とその受容体(trkA、p75LBGFR)の分布を調べた。卵巣の卵胞顆粒層細胞と卵胞膜内膜では、NGFに対し、陽性反応が確認された。また、間質細胞でもNGFの特異的な局在を確認した。一方、NGFの高親和性の受容体であるtrkAは、卵胞膜内膜に比較して顆粒層細胞と間質細胞で強い陽性反応が確認された。一方、低親和性の受容体であるp75LNGFRは、卵胞顆粒層細胞、卵胞膜内膜および間質細胞に弱いながらも、特異的な陽性反応を示した。以上の結果から、NGFは自己分泌または傍分泌的にニホンザルの卵巣機能を調節する可能性が示唆された。

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ニホンザル(Macaca fuscata fuscata)の妊娠中および泌乳期初期の血中リラキシン濃度の変化(J. Reprod. Dev. 48: 383- 391, 2002)

清水慶子1)・金 万洙2,3)・岸 久司4)・野口純子5)・渡辺 元2,3)・林 基治1)・田谷一善2,3)

1)京都大学霊長類研究所・分子生理部門
2)東京農工大学農学部・獣医学科・家畜生理学教室
3)岐阜大学大学院連合獣医学研究科・基礎獣医学連合講座
4)(独法)農業生物資源研究所・家畜ゲノム研究グループ
5)(独法)農業生物資源研究所・遺伝資源研究グループ

 10頭のニホンザルの妊娠および泌乳期初期1か月までの血中のリラキシン濃度を、豚リラキシンラジオイッムノアッセイ(RIA)法によって測定した。妊娠中の各種ホルモンの分泌パタ-ンと比較する目的で、サル絨毛性性腺刺激ホルモン(mCG)、エストラジオール-17β、プロジェステロンおよびインヒビンも同様に測定した。血中リラキシン濃度は、受胎前は低値であったが妊娠中は次第に上昇し、妊娠初期の31±2.4日に第一のピークが(267.5 50.5±pg/ml)(0日=LHサージ出現日)、出産直前に第2のピーク(235.6 ± 37.5pg/ml)が認められた。出産後、血中リラキシン濃度は、急激に減少したが泌乳期初期には約100 pg/mlの血中レベルを維持した。妊娠中の血中リラキシン濃度の第1の上昇は、mCGおよびプロジェステロンの上昇と正の相関を示した。また、血中リラキシン濃度の第2の上昇は、血中エストラジオール-17β、プロジェステロンおよびインヒビンの上昇と正の相関を示した。これらの結果から、妊娠ニホンザルにおけるリラキシンの主な分泌源は、妊娠初期には黄体であり、妊娠後期には胎盤であろうと推察された。

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マウスES細胞由来核移植卵の発生能に及ぼす集合ならびに再核置換の影響(J. Reprod. Dev. 48: 393-397, 2002)

薮内晶子1)・加藤容子1)・角田幸雄1)

1)近畿大学農学部

 マウスES細胞由来核移植卵は高率に胚盤胞へ発生するが、受胚雌へ移植後の産子への発生率は低い。核移植卵由来胚盤胞の細胞数は少ないことが知られていることから、2つの核移植卵を集合することによって、1回核移植あるいは再核置換を行った場合に比べて胎子への発生率が向上するか否かを検討した。その結果、集合胚の着床率は他区に比べて有意に向上したが、胎子への発生率は向上しなかった。このことから、ES細胞由来核移植卵の産子への発生率が低い原因は、細胞数が少ないためではないことが判明した。

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密度勾配の浸透圧がウシ精子の比重へ及ぼす影響と性に因らない精子の選別(J. Reprod. Dev. 48: 399-407, 2002)

Shelley R. Hough1)・Robert H. Foote1)

1)Department of Animal Science, Cornell University

 密度勾配法を用いて射出精液中の精子を質によって最も高効率かつ定量的に選別するためには、操作条件による精子密度への影響に関する情報が必要である。現在報告されているウシ精子の密度には大きなばらつきがある。そこで本実験では、密度勾配の浸透圧が精子密度に及ぼす影響と、低粘性・低毒性の密度勾配を利用した精子選別法について検討した。精液は人工授精用の種雄牛より採取した。精液の細胞容積検査では、生存精子の容積は浸透圧の違いにより25%以上も変化し、密度勾配による精子密度の測定結果も浸透圧により大きく変化した。 Nycodenzの不連続密度勾配は密度誤差1%未満の制度で作成可能であり、 100,000×g、1時間の遠心分離によって96-99%が不染(生存)精子で91%が運動精子である画分と100%静止精子の画分を得ることができた。低浸透圧(220-237 mOsm)と高浸透圧(342-345 mOsm)で得られた生存精子の密度(g/ml)は、それぞれ 1.125と1.145であり、死滅精子は両浸透圧ともに1.233であった。以上より、この密度勾配は精子の性判別はできないが、種々の条件で細胞膜の完全性や精子機能の違いによって精子を定量的に選別することが可能である。

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ブタ単為発生卵ならびに胎子繊維芽細胞由来核移植卵の体外発生能に及ぼす酸素気相の影響(J. Reprod. Dev. 48: 409-414, 2002)

川上雅弘1)・谷 哲弥1)・Yin Xin Jun1)・加藤容子1)・角田幸雄1)

1)近畿大学農学部

 本研究は、ブタ卵胞卵の体外成熟培養中ならびに胎子繊維芽細胞の継代培養中の酸素濃度が、単為発生卵ならびに核移植卵の発生能に及ぼす影響を検討した。単為発生卵の胚盤胞への発生率(5〜16%)は、酸素濃度の違いによって有意に相異しなかった。しかしながら、低酸素条件下で継代培養した胎子繊維芽細胞を、第2減数分裂中期染色体を除去した卵胞卵に融合した核移植卵の胚盤胞への発生率(2〜3%)は、高酸素条件下で培養した体細胞を用いた場合(7%)に比べて有意に低かった。

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乳牛の妊娠期における栄養状態が新生子の生時体重と活力ならびに胎盤の排出時間に及ぼす影響(J. Reprod. Dev. 48: 415-422, 2002)

張 文昌1)・中尾敏彦1)#・木田克弥2)・森好政晴1)・中田 健1)

1)酪農学園大学獣医学部・獣医臨床繁殖学教室
2)北海道農業共済組合連合会研修所
#広島大学大学院・国際協力研究科開発技術講座

 乳牛の妊娠期における栄養状態の指標となる血液成分の変動と新生子の生時体重と活力並びに胎盤の排出時間と重量との関係を明らかにする目的で試験を行った。供試牛はホルスタイン種経産牛41頭で、乾乳期間は74±2(平均±SEM)日、1乳期の乳量は9,795±146 kgであった。平均在胎日数、分娩時体重および胎盤小葉重量は、それぞれ、283.7±0.5日、761±11 kg、1562±33 gであった。子牛の生時体重は、雌で47.4±1.1 kg、雄で49.8±0.8 kgであった。41頭中10頭が虚弱子牛を娩出し、13頭が胎盤停滞を起こした。泌乳の中期から後期にかけて、血糖および血漿総蛋白値が低値を示した例では、子牛の生時体重、胎盤重量ともに低く、新生子虚弱の発生率が高かった。また、乾乳の後期において、血糖と血漿コレステロールおよびCa濃度が低値の例では、胎盤停滞発生率が高かった。このように、妊娠期における低栄養は胎子・胎盤系の発育に悪影響を及ぼし、新生子虚弱や胎盤停滞の原因となる可能性のあることが示唆された。

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妊娠初期着床過程のウシ胚におけるレチノール結合タンパクの産生と局在(J. Reprod. Dev. 48: 423-430, 2002)

Kaung-Huei LIU1)

1)中華民国嘉義国立大学・獣医学部

 レチノールは胚発生制御因子として重要な役割をはたしている。妊娠初期、着床前後の時期(妊娠13から22日)のウシ胚におけるレチノール結合タンパク(RBP)の産生と局在を免疫組織化学的に調べた。この着床前後の時期、胚は球形から線維型に変形する。取り出した胚を放射能標識アミノ酸を含むMEM培養液中で培養し、培養液中に分泌されたRBPを抗RBP抗体を用いた免疫沈降法にて定量的に調べた結果、胚発生にともなってRBPが増加した。15および22日齢の胎仔におけるRBPの局在を調べた結果、15日齢胎仔の栄養外胚葉および22日齢胎仔の絨毛膜と尿膜に検出された。

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