第13回若手企画シンポジウム 報告

第105回日本繁殖生物学会つくば大会で開催された第13回若手企画シンポジウムについてご報告いたします。

今年の若手企画シンポジウムでは、「若手研究者や若手学生が、様々な人たちと熱い議論を交わすことで交流を構築し、学会をさらに盛り上げよう」という趣旨の下、グループディスカッション・パネルディスカッション形式で開催しました。

会場の様子グループディスカッションの様子

 ディスカッションの内容は、「学会って本当に楽しいの?」というメインテーマを掲げ、「口頭発表が学会の醍醐味である(or その楽しさが分からない)」や「新たな知り合いを作ることこそが学会の本当の楽しさだ(or その楽しさが分からない)」などを設定しました。グループディスカッションで議論をした後、学生代表・若手研究者代表それぞれ4名が前に登場し、「どうしたらもっと学会を楽しめるか、そのコツは?」ということについて、会場を交えたパネルディスカッションを行いました。このディスカッションの中で、大阪大・山縣先生から、若手からの質疑応答の活性化を狙った「Good Question賞」の創設のご提案を頂きました。是非、若手シンポジウムから生まれた新規の企画として、実現に向けて動き出そうと思います。

学生代表パネリストの方々若手研究者代表パネリストの方々

 会場では例年以上に充実した(?)ビールなどのアルコール飲料や軽食が振舞われました。今回は名簿上170名ほどの方々に参加していただきました。参加していただいた皆さん全員に、若手企画グループ一同、心より感謝します。

 今後も会員のみなさんの意見を取り入れつつ、大会恒例のシンポジウムとして発展させていきたいと考えています。次回の東京農工大大会で予定している第14回シンポジウムにもぜひご参加下さい。本企画についてご意見等ありましたら、最寄りの若手奨励策検討委員までお知らせください。

 最後に、大会運営に協力していただいた若手シンポ企画グループのみなさんに厚く御礼申し上げます。

若手企画シンポジウムに参加された若手の皆様の声

基礎生物学研究所 生殖細胞研究部門
中村 隼明さん

 日本繁殖生物学会に入会して3年目を迎えました。この度、若手企画シンポジウムに初参加させて戴きました。昨年度、ポスドクになり研究者としてのスタートラインに立ったことも相まって、このような若手が企画し、そして交流する場にはこれまで以上に積極的に参加したていきたいという意欲が強まっておりましたので、非常に良い機会でした。当シンポジウムは、立食形式であったため、顔見知りの方も、そうでない方とも和気あいあいと交流することができました。また、参加者が多いことからいくつかのグループに分けていましたが、これには参加登録の際に集計したアンケート結果が用いられており、若手研究者からの情報収集と以後の企画運営を両立していくうえで非常に良いアイデアだと感じました。企画の中では、学会でどのように仲間を増やしていけばよいかという議題があがり、学生会員数名が持ち寄ったスライドと共に自己アピールしていたことが印象的でした。また、twitterを導入し、当シンポジウムに参加している様々な研究者の議題に対するコメントが飛び交っていたことも、モダンだと感じました。私自身は、院生の頃はニワトリ始原生殖細胞を用いた生殖工学研究に、現在はマウス精子形成幹細胞を用いた生殖工学研究に取り組んでいます。いずれの研究分野も当学会内では少数派であるため、大会に参加した際に討論ができる研究者が少なく、研究仲間を増やしたいと感じておりました。もちろん、日々研究に没頭し、その結果をコンスタントに学会で発表していくことが最も重要ですが、これに加えて、若手企画のシンポジウムは、分野を超えて同世代の研究仲間を一晩にして増やすことができる、素晴らしい場だと感じました。今後のシンポジウムも積極的に参加したいと思います。そのうち、私自身もこのような企画に携わっていけたら幸いです。とりあえずは来年の企画を楽しみにしてます!!
 最後に、この度の素晴らしいシンポジウムを若手研究者のために企画、運営してくださった先輩方に心から感謝します。このように素敵な企画が末長く続くことを心より願っています。



名古屋大学大学院 生命農学研究科生命技術科学専攻
動物生産科学第1研究分野
難波 陽介さん

 今回の若手企画シンポジウムは、「学会って何だろう?」ということを考えさせられるテーマでした。例年通り若手シンポに参加しようと受付に行ったら、今回は受付の際に参加者に対する質問事項がいくつかありました。質問事項の文言の一字一句は忘れましたが、学会は口頭発表、ポスター発表、懇親会、久々に友人に会う、あるいは、お偉い先生方に会う等のどれが醍醐味と思うか、あるいは、どれが嫌かといったものでした。毎年いろいろな工夫がされているなあと、どのような会になるか楽しみでした。
 そして、シンポ会場ではこれらの回答をもとにグループ分けされ、グループごとにテーブルに集まるところから始まり、会の趣旨が段々分かってきました。やはりテーブルには知らない人たちばかりで、人見知りの私はずっとドキドキしていました。でも、そのドキドキは束の間で、お酒を飲みだしたら皆さん知らない人同士でもしゃべり出し、会は盛り上がり始めました。
 実際に会が進行すると、まず始めに若手研究者を代表する3人の諸先生方の経歴や、研究に対する考えなど貴重な意見を拝見拝聴しました。年齢が自分たちと近いということもあり、非常に身近に感じられモチベーションが上がりました。その後、受付の際の質問事項について会場全体で議論をしました。今回はなんと、シャイな日本人のために(?)、ツイッターを用いることで直接マイクを使ってしゃべらなくても発言できる配慮がなされました。人前で自分の意見を堂々と言えない若者が多い現状は憂うべきことなのかもしれませんが、少しでも多くの人の意見を取り入れられるようにこのような配慮をしていただいて、若手シンポは毎年進化しているなあと感嘆致しました。
 今回私は若手シンポに参加して、この学会で知り合った友人たちと親睦を深めるとともに、諸先生方や多くの学生の皆さんの意見を聞くことができ、非常に有意義な時間を過ごせたと思います。学会はこういうのが醍醐味のひとつなんだなと、改めて感じました。来年もこの会に参加し、ここで出会った友人達とともに、若手シンポ、さらには学会全体を盛り上げていけたらと思います。最後に、この会を企画して下さった若手奨励策検討委員会およびその関係者の皆様に改めて感謝申し上げます。



東京農業大学大学院 農学研究科畜産学専攻 家畜繁殖学研究室
田崎 秀尚さん

 若手企画シンポジウムへの参加は今年で4度目となり、毎年楽しい時間を過ごさせて頂いています。学生無料というのも相まって非常にたくさんの方々で賑わうとてもアットホームな会というのが私の印象です。用意して頂いた食事やお酒を交えて、他の研究室の学生と交流を深めるともに自身のモチベーションを高めることができました。さらには、普段中々お話しを伺うことができない先生方へ質問することも叶いました。今年度も大変有意義な時間を過ごすことができ大変感謝しております。若手企画シンポジウムは、繁殖生物学会の魅力の一つであると思います。これからも、若手の交流の場としてますますの発展を期待しております。
 最後になりましたが、このような素晴らしいシンポジウムを開催してくださったスタッフの皆様に感謝致します。


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