第12回若手企画シンポジウム 報告

写真1 第104回日本繁殖生物学会盛岡大会で開催された第12回若手企画シンポジウムについてご報告いたします。今年の若手企画シンポジウムでは、京都大学大学院医学研究科の林克彦先生から話題提供して頂きました。
 司会進行役でもあった大串素雅子さんとの研究風景を楽しく伝えてくださるとともに、ボスとの接し方、留学経験の意義などを通して、「我々が目指すサイエンスとはなにか?」を熱く語ってくださいました。
写真2会場では例年のごとく、ビールと軽食が振舞われました。特に軽食では、盛岡名物の美味しい団子が大変魅力的でした。今回は名簿上200名近い方々に参加していただきました。参加していただいた皆さん全員に、若手企画グループ一同、心より感謝します。
写真3 今後も会員のみなさんの意見を取り入れつつ、大会恒例のシンポジウムとして発展させていきたいと考えています。次回のつくば大会で予定している第13回シンポジウムにもぜひご参加下さい。本企画についてご意見等ありましたら、最寄りの若手奨励策検討委員までお知らせください。  最後に、大会運営に協力していただいた若手シンポ企画グループのみなさんに厚く御礼申し上げます。


若手企画シンポジウムに参加された若手の皆様の声

京都大学理学研究科グローバルCOE生物多様性特別講座
上坂 将弘さん

 僕がこの若手企画シンポジウムに参加させていただくのは、一昨年の近畿大会の「ボス・オン・ザ・デスク」を合わせて二回目でした。なので、今年も絶対に参加しようと思っていました。
 率直な感想を言うと、とっても楽しかったです。
 シンポジウムのスタイルは、軽い食事をつまみ、お酒を飲みながら聴くというものでした。非常に多くの参加者がいて、そこにアルコールもあるので、みんな和気あいあいし、お互いに自然に打ち解けられる雰囲気でした。
 今年は、京都大学の林先生による、ありがたいお話がメインでした。トークの内容は研究生活の話や、その中で得た考え方など、多岐にわたっており、非常に興味深いものでした。林先生自体がお酒を要求しながら話し、司会進行の大串先生も酔っぱらいながら会を進行し、その中で繰り広げられる、お二方の漫才さながらの掛け合いもとても面白く、みんな笑いながら聴いていました。林先生への質問コーナーでは、学生の直球の質問が飛び、それに答えるという、まさに「アラフォー実験者から若者たちへ」といった感じでした。

 今年の若手企画シンポジウムは、そんな気取らない感じの、終始笑いに包まれた会でした。ただ、林先生の講演というスタイルだったので、会場を動き回って多くの人と交流することががあまりできなかったのが心残りです。
 最後に、この最高の若手企画シンポジウムを開いてくださった皆さんに感謝申し上げます。ありがとうございました。



京都大学理学研究科グローバルCOE生物多様性特別講座
浜崎 伸彦さん

 本学会に参加したのは今回が初めてでしたが、盛岡のおおらかな雰囲気と、会場となったアイーナの施設環境の良さに当初から期待に胸をふくらませていました。さて、いざ学会が始まってみると、みなさん私の質問にとても優しく答えてくださって、なんと素晴らしい学会だろうと感激しておりました。そのような折に受付で若手企画シンポジウムというものを見つけました。学生はタダという甘い誘いプラス、こちらがメインなのですが先日ES、iPS細胞から精子分化を介して子孫を残すことに成功した林克彦先生の講演が聞けるという触れ込みに参加を決めました。大会2日目の夜、楽しみにしていた若手企画シンポジウムに参加。感想としては、面白かった!です。笑いの面白いはもちろんのこと、興味深いという意味でも面白かったです。
 会は林先生と大串先生の掛け合いから始まり、ビールを片手に持った林先生がこれから研究者を目指す若手に、研究者の良いところ悪いところ、留学はすべきか、などといった、これまで聞きたくても聞けなかったことをズバズバおっしゃって下さりました。中でも林先生の一週間の生活のタイムテーブルは、世界の第一線を走っている林先生の研究とお酒にかける情熱が垣間見え、とても刺激的でした。
 会の雰囲気は自由そのもので、林先生の会場への質問にも時間が経つごとに会場のあちらこちらから声が飛んできて、とてもアクティブなシンポジウムとなっていました。最後まで会場は熱気を帯び、総勢150人以上もの参加者がシンポジウムを満喫できたと思います。次回もこのようなシンポジウムがあれば是非また参加したいと思います。
 最後にこのような素晴らしいシンポジウムを若手研究者のために開催、運営してくださった皆様に心から感謝します。



明治大学大学院 農学研究科生命科学専攻 動物生理学研究室
村尾 恵梨奈さん

 学会会場に到着し、受付をしたり、ポスターを張り付けるときのことです。あらゆるところに「若手シンポジウムやります!」というチラシが目につき、その上米澤先生からお誘いを受け、さらに講演者である林克彦先生ともお話する機会があったので、『これはもう参加するしかない!』と思い、若手シンポジウムに参加させていただきました。毎年若手シンポジウムでは、研究に対する心構えや、研究者としての日常を、面白くかつ、深いところまでお聞きできるので、今年も楽しみにして若手シンポジウムの会場に向かいました。
 実は、シンポが始まる前に林先生から「実はまだスライドが出来てなくて(汗)どんなこと言ってほしい?」と言われていて、シンポまでに間に合うかなぁなんて心配していましたが、素晴らしいスライドでした。おまけに、私がリクエストした、日常のスケジュールまで入れて頂き、感激しました。シンポジウムでは、林先生のご経歴、その時に感じられたこと等、様々な事を紹介して頂きました。
 私が特に印象に残ったことは、自分のやっていることを愛することの大切さです。卵操作をしている大串先生の写真が頻繁に出てきて、笑いが起きる場面もたくさんありましたが、自分の実験・研究を愛せるって大切だけど、すごいことなんだと感じました。  笑いあり、深い話ありで、普段話す機会のない先生方と交流が持てる若手シンポジウムは、とても良いものだと思います。是非、これからもずっと続けてください。素晴らしい機会をありがとうございました。



明治大学大学院 農学研究科生命科学専攻 動物生理学研究室
飯野 佳代子さん

 今回、若手シンポジウムに参加させていただき、林先生の面白い中にも考える事の多くあるお話を聞かせていただきました。学生時代から現在に至るまで、ポジションの変動や研究分野の変更、海外での研究生活についてなどなど、林先生がどのように考え選択をされてきたのかを、林先生と大串先生のみごとな掛合いを交えお酒片手に楽しく伺いました。
 会場にいた学生や先生方も随所で頷き、笑い、時に深く考えながら、しかしとても賑やかにシンポジウムに参加をしていました。特に、”先生に理不尽に怒られる”というところでは、多くの学生が苦笑を浮かべ、”先生が怖い”というところでは一部の学生が深く深く頷いている様は若手シンポジウムならではの雰囲気であり、こういった若手が(お酒の力や場の雰囲気を借りて)先生方と気軽にお話をさせていただける機会は本当に大切で重要でありがたいものだと思いました。
 しかし、やはり緊張をして自分からは話しかける事のできない学生もいるようです。私は、今回の若手シンポジウムで3回目の参加となりますが、初めて参加した大学3年生の時は場に慣れず、誰にも話しかける事が出来ないまま借りてきた猫のようにじっとしていた思い出があります。自分で実験を行い学会やシンポジウムに参加させていただく過程で、色々な先生方のお話を伺い自ら話しかけていく勇気も頂きました。
 今回、緊張をしていっぱいいっぱいだった学生に次回のチャンス、さらにその次のチャンスが頂けますように、このように素敵な会が長く続くことを願っています。若手シンポジウムを企画・運営してくださった皆様、本当にありがとうございました。


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