第11回若手企画シンポジウム 報告

写真1 第103回日本繁殖生物学会十和田大会で開催された第11回若手企画シンポジウムについてご報告いたします。今年の若手企画シンポジウムでは、ご好評をいただいているファイル・オン・ザ・デスクに加え、第一線を猛スピードで走りぬける若手の教授、嘉糠洋隆さんに話題提供していただきました。
写真2嘉糠さんの学生時代の研究成果から始まって、嘉糠さんからの矢継ぎ早の質問に答えるうちに、「そもそもサイエンスとはなにか?」といった根源的な話に膨らんでゆき、最後には会場中を巻き込んだ熱いディスカッションに発展しいったのは、とても印象的でした。
写真3 つづいてのファイル・オン・ザ・デスクでは、例年と同様、口頭部門の優秀発表賞にノミネートされた方々に発表者となって頂きました。先ほどまで食べ物や飲み物がならんでいた机の上には、びっしりと実験成果が書かれたファイルが並べられ、額を寄せ合って深く突っ込んだ意見交換があちこちで湧き起こっていました。

 今回は嘉糠先生のご好意もあって、例年よりちょっと豪華な軽食を用意することができました。飲み物はビールサーバーを用意しました。食べ物は、青森県産のとうもろこし、お漬物、そして郷土料理の「せんべい汁」をご用意いたしました。当日は観測史に残るような猛烈な暑さでしたが、それだけに、生ビールは沁み入るようにおいしかったです。
写真4写真5写真6 最終的に、今回は会場集計で135名もの方々に参加していただきました。参加していただいた皆さん全員に、若手企画グループ一同、心より感謝したいと思います。今後も会員のみなさんの意見を取り入れつつ、大会恒例のシンポジウムとして発展させていきたいと考えています。次回の岩手大会で予定している第12回シンポジウムにもぜひご参加下さい。本企画についてご意見等ありましたら、最寄りの若手奨励策検討委員までお知らせください。

 最後に、大会運営に協力していただいた北里大学のみなさんに厚く御礼申し上げます。


第11回若手企画シンポジウム感想

ファイルオンザデスクの感想

理化学研究所 バイオリソースセンター 遺伝工学基盤技術室
基礎科学特別研究員 的場章悟

2010年9月上旬、例年にない猛暑に見舞われた十和田市に於いて、北里大学主催の第103回日本繁殖生物学会に参加した。私はこれまで当学会には参加したことが無かったが、「若手の頑張っている活気ある会」と周囲の人から聞いており、特にファイルオンザデスクという珍しい若手企画の飲み会兼勉強会があるのは面白そうだなと思っていたところ、思わぬことにそのホスト(?)側として皆さんに話題を提供する一人として参加することとなった。
ファイルオンザデスクがはじまる前に、シンポジウムとして、まずは若くしてPIとして活躍されている帯広畜産大学の嘉糠洋陸先生のお話からはじまった。嘉糠先生は会場を巻き込みつつ「サイエンスにおける”revisit”という心構えの重要性」をご教授して下さり、京都大学の今村拓也先生、北里大学の米澤智洋先生らが会の雰囲気を引っ張って、若手中心の会は徐々に盛り上がりながら進行した。会場ではビールやおつまみ、せんべい汁などがたくさん用意されていて、お酒の力を借りて緊張をほぐしながら、周囲の方々と交流を深めることができた。
酔いが適度に回ったあたりでファイルオンザデスク開始。ホスト役の6人が一人ずつテーブルに分かれて、用意したトークテーマに関して興味ある人が行ったり来たりしながら話すシステムだった。自分のところにも誰か来てくれるのだろうか、と思ったが、すぐに何人かが集まってくれた。私は自分の行っている「生殖細胞の人為的な発生分化誘導」に関する研究をベースに、この技術を用いて将来的にどういったことが可能になるのか?そしてその技術は社会倫理的にどのような問題をはらんでいるか、についてなど、真面目くさい話題を用意していた。緊張は十分にほぐれていたものの酔いの回りすぎか、用意していた資料はほとんど説明しきれず、皆さんの反応も自分の想像していたような方向には発展しなかったが、思わぬ方向から自分の実験への意見を頂けたり、研究生活やキャリアについての話にも発展したり、楽しい時間を過ごすことが出来た。
勝手な思い込みかもしれないが、学会の懇親会というとPI同士の交流が中心で若手は参加しにくいと思っていたので、このような若手中心で幅広い方々と自由に交流できるイベントがあるのは非常に素晴らしいと感じた。是非今後も長く続くことを願います。
最後になりましたが、今回の若手企画シンポジウムを企画・運営していただいた皆様に心より感謝いたします。ありがとうございました。


若手シンポジウムの感想

帯広畜産大学 畜産学研究科 松本 悠

こんにちはぁー!!!今回若手シンポに初めて参加させていただきました、鎧好きの松本です。
嘉糠先生を始めとする、たくさんの有名な先生方と交流できる場を設けていただき、それはそれはとてもエキサイティングな会を楽しませていただきました。自分たちが常識だと思っていることは本当のことなのだろうか?すべての事柄に疑問を抱いて研究してほしいという嘉糠先生からの熱いメッセージは、とても心打たれるもので武者ぶるいしました。そして、今回の学会向けて取り組んできた自分のテーマを、ここで一区切りつけるのではなく、さらに追及していきたい所存であります。自分のモチベーションも上がり、素敵な会に参加できたことを本当にうれしく思います。
ただ、ただ・・・皆様に少々主張アンド弁解したいことがあります。
自己紹介で鎧好きだとか、いい女になるなど発表し、半分本気とはいえ少し冗談が過ぎました。しかしそのような自己紹介でもみなさんには温かく見守っていただき、その優しさに胸がジーンとなりました。来年もぜひ学会に参加し、皆様とお話ししたいと思っていますので、もし見かけましたら、引かずに気軽にお声をかけていただけることを願っています。
最後になりましたが、このような素敵な若手企画シンポジウムを開いて下さったスタッフの皆様に感謝の気持ちを表します。本当にありがとうございました。


若手シンポジウムの感想

せんべい汁を配っていた学生こと
北里大学獣医畜産学部獣医学科 坂田恭平

 米澤先生にこのシンポに誘われた時は、何だか堅苦しいイメージがあり、私のような不真面目な学生には敷居が高いものに思われました。しかし、これは大きな思い違いだったのです!皆様の優しい人柄と、お酒の力が相成りまして、会場の雰囲気は終始和やかであり、自然に笑みが溢れてきました。
 しかし、私の笑みが凍る大事件が起きたのです!!それは目玉である嘉糠先生の発表中に起こりました。先生の発表は、卵巣という器官への無限の可能性を説きながら、気さくなディスカッションを通して、若い科学者達の多くの悩みに答える、とても素晴らしいものでした。私は、先生の発表が始まって数分後に、あることに気づきました。先生の研究が、私の研究の元手になっているではないですか!私は怯えた顔をしながら、指導教員である米澤先生を見ると、先生が悪い顔してニヤニヤしているのです。そう、彼は全て知っていたのです。その後、嘉糠先生の質問や疑問に対して、ニヤニヤしていました。そう、彼はそれに対しての答えを全て持っていたのです。途中、勢い余って軽い宣戦布告し、翌日の発表のハードルを上げた時の先生の顔は忘れられません。
 付け加える様な形となってしまいましたが、ファイル・オン・ザ・デスクも大いに盛り上がったそうです(私は、お酒で全てを忘れていました。)。若手企画シンポジウムに参加できたことに大きな喜びを感じ、スタッフと会場の全ての皆様に、深い感謝を申し上げます。
 最後となりましたが、演出上の都合で米澤先生の描写に大げさな所が多々あります。実際の先生は、とても爽やかな方ですし、私もニヤニヤしていました。また、素敵なたくさん女性と話せて大変喜ばしかったです。


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