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第7回若手企画シンポジウム報告


 第99回日本繁殖生物学会名古屋大会初日(2007年9月7日)の夜に開催した第7回若手企画シンポジウムについてご報告いたします。本企画は若手研究者同士の交流や若手研究者のエンカレッジメントを大きな目的としています。今年は、例年のパーティ形式の中で「若手の会員が自分の研究を紹介する場」を提供することに主眼をおき、「ファイル・オン・ザ・デスク」形式(A4で5-15枚程度の印刷物を会場内のテーブルにおいてもらい、参加者に説明・ディスカッションをしてもらおうという企画)で自分の研究などについて話題提供をしてもらいました。優秀発表賞口頭発表部門で二次審査まで進まれた方全員の力の入った研究をじっくりと議論できたり、本大会での発表の予行練習もあり、また、研究室の紹介や企業での研究生活など、多岐にわたる発表をいただきました。参加者は思い思いにドリンク片手に串カツなどの名古屋名物をつまみながら、本大会とは異なる雰囲気の中で活発な議論が展開されていました。

 今回は学生88名、その他85名、合計173名もの方々が参加登録してくださり、これまでの若手企画シンポジウム史上最多の参加者でとても賑わいました。シンポジウム当日の様子は、話題提供をしていただいたみなさんからの感想をご覧ください。また、シンポジウムに参加していただいたひとりひとりがこの企画を大いに盛り上げてくれたことに、シンポジウム企画グループ一同、心より感謝したいと思います。当日行ったアンケート結果(本報告の末尾に掲載)をみますと、おおむね好評だったと考えていますが、来年度以降に向けて改善すべき点など率直なご意見もいただきました。今後も会員のみなさんの意見を取り入れつつ、大会恒例のシンポジウムとして発展させていきたいと考えています。次回の東京大会で予定している第8回シンポジウムにもぜひご参加下さい。本企画についてご意見等ありましたら、最寄りの若手奨励策検討委員までお知らせください。

 最後に、快く話題提供を引き受けて下さったみなさんと、名古屋大学のみなさんに厚く御礼申し上げます。


今村拓也(若手奨励策検討委員会)




【第7回若手企画シンポジウム・「ファイル・オン・ザ・デスク」発表演題】
  1. 増田 純弥さん(東京大学大学院農学生命科学研究科 応用動物科学専攻獣医生理学教室)
    ストレス反応の性差におけるエストロジェンの役割
  2. 高瀬 健志さん(名古屋大学大学院生命農学研究科 生殖科学)
    雌ラットの性成熟におけるメタスチンの生理的役割
  3. 斉藤 耕一さん秋田県立大学生物資源科学研究科 生物機能科学専攻生物化学講座
    新規ホメオティック遺伝子Egam-1Cはマウスプロラクチンファミリー遺伝子Plp-Lの転写調節因子として機能しているか?:Egam-1Cの発現・機能解析
  4. 猿渡 悦子さん(東京海洋大学 水族養殖学研究室)
    ニジマス生殖腺体細胞で特異的に発現する新規サイトカインGSDFは始原生殖細胞および精原細胞の増殖を促進する
  5. 前泊 直樹さん(麻布大学大学院 動物繁殖学研究室)
    遠心・融合による核置換により作出したブタ再構築卵の発生能
  6. 吉田 友教さん(東北大学大学院農学研究科 動物生殖科学研究室)
    新規アポトーシス阻害剤,Bax-inhibiting-peptidesによる成熟卵母細胞および胎子期卵巣内卵祖細胞の細胞死制御
  7. 川原 学さん(東京農業大学応用生物科学部 バイオサイエンス学科)
    マウス胎盤形成における7番染色体および12番染色体上の父性インプリント遺伝子の役割
  8. 矢野 文香さん(東京海洋大学 水族生理学研究室)
    GFP遺伝子導入ニジマスにおける各種精巣細胞集団の単離
  9. 西澤 華子さん(大鵬薬品工業株式会社安全性研究所)
    企業研究2年目ドクター華子のささやかな毎日
  10. 蔡 立義さん(明治大学大学院農学研究科)
    雄性不妊を示すTGラットの精巣の電子顕微鏡観察
  11. Duangjai Rieanrakwong(ドワンザイ リアンラクオン)さん(北里大学獣医畜産学部 獣医生理学研究室)
    Localization of annexin 5 in the mammary gland: the relationship to lactation
  12. 中山 美智枝さん(明治大学大学院農学研究科)
    SELEX法により得た転写因子Prop-1の新たな結合特性と転写調節能について
  13. 佐藤 崇信さん(明治大学大学院農学研究科)
    新規下垂体転写因子Paired-relatedホメオドメイン転写因子Prx2はゴナドトロピン(α鎖、FSHβ鎖、LHβ鎖)の転写因子である
  14. 遠藤 圭介さん(麻布大学大学院 動物繁殖学研究室/理化学研究所バイオリソースセンター 遺伝工学基盤技術室)
    オグラ室長と愉快な仲間達
  15. 越後貫 成美さん(理化学研究所バイオリソースセンター 遺伝工学基盤技術室)
    私、マンモス復活させちゃうの!?
  16. 佐藤 弘明さん(名古屋大学大学院生命農学研究科 生殖科学/基礎生物学研究所 行動生物学研究部門)
    げっ歯類の脳におけるアンドロジェン遺伝子のDNAメチル化制御
  17. 川澄 みゆりさん(近畿大学大学院 生物理工学研究科)
    マウス体細胞核移植胚および体外受精胚におけるOct-3/4遺伝子転写調節領域のメチル化






第7回若手シンポジウムに参加して

遠藤圭介(麻布大学大学院 動物繁殖学研究室/理化学研究所バイオリソースセンター 遺伝工学基盤技術室)

 私が、このシンポジウムに発表者として参加させていただいたのは、現在お世話になっている研究室(理研 遺伝工学)に若手委員の方が2人おり、その人から「やらない?」と誘われたのがきっかけでした。始めは発表と聞いて躊躇しましたが、「みんな酔っぱらいながら、話す感じ」と聞いて「そんなシンポジウムあんのかよ〜」と疑いながらもOKしました。また、ただ話しを聞きに行くよりは、何か発表があったほうが学会に行きやすいだろうという考えもありました。このように、安易な考えで発表を引き受けてしまい、正直当日まで不安な気持ちもありました。しかし、いざ会が始まってしまうと、そこには学会という雰囲気は全く無く、まるでパーティーかのごとく賑やかで、それぞれの人が自由に話し、飲んで、食っているのでした。そんな、自由な雰囲気の中に緊張や不安なんて言葉はあるわけもなく、私も誰かしらとずっと話をしていました。時間もあっという間に過ぎてしまい、他の発表者の話が一つしか聞けないくらい、自分でも驚くほどに他の研究室の方々との研究の話から、それ以外の話(←ほとんどこっちだったような…)に夢中になってしまったのです。結果として、参加して本当に良かったと心からそう思います。学生に優しく、自然と他の研究室の人と交流がもてる数少ないすばらしい会でした。

 そして、何よりも驚いたのは、若手委員の方々のチームワークの良さです。おそらく、委員全員で集まって話し合う機会は、ほとんど無かったのではと思います。それにもかかわらず、委員の方々は、みなさん率先してテキパキと動き、準備と後片付けの手際が早かったのにはびっくりでした。当日、会場に溢れんばかりの人が集まったのも、委員の方々の努力の成果だったと思います。本当にお疲れ様でした。

 最後に、今回のシンポジウムの計画・運営をされた若手委員、名古屋大学の方々および関係者の方々に感謝申し上げます。皆さんのおかげでとても楽しむことができました。これからも良い意味で変わらずに、この若手シンポジウムが開催されていくことを願っています。ありがとうございました。


若手シンポジウムに参加して

中山美智枝(明治大学院農学研究科)

 私は日本繁殖生物学会に今年初めて参加し、さらに若手シンポジウムでfile on the desk方式での発表をさせていただきました。若手シンポジウムには「面白いらしいよ」という先輩の言葉を聞いて、深く考えることなく参加を決めました。 

 実際参加してみて感じたのは、とても雰囲気の良い場であるということです。悪い意味ではなく気楽な雰囲気で、どのテーブルでも活発に話し合いがされていました。私の発表の場でも詳細を聞きたいという人と有意義な話し合いが出来、研究室外の人脈が広がりました。

 学会という場では硬くなりがちな私なのですが、あの場ではそんなことにならずに楽しい時間を過ごすことが出来ました。普段会話することのない他の研究室の人との交流はとても貴重な体験で、これも若手シンポジウムに参加していたからこそだと思います。

 若手シンポジウムが活気のあるものになったのも運営を担当された方々の力量だと思います。ありがとうございました。

 今後も今年のようなシンポジウムが行われることを期待しています。





若手企画シンポジウムに参加して

齊藤耕一(秋田県立大学生物資源科学研究科 生物機能科学専攻生物化学講座)

この度,若手企画シンポジウムに参加し,自分の研究内容を皆様に紹介する機会を頂きました。

「参加してよかった。」
これが第一の感想です。

  • 若者同士での活発な語り合い。
  • 普段は聞くことができない貴重なお話。
  • そして,”タダ”で食べられるおいしい料理とうまい酒。

どれをとっても満足のいくものでした。

今回参加できなかった方は,是非次回参加することをお勧めします。
もちろん私は次回も参加させていただきたいと思います。

今回のこのようなシンポジウムを計画・運営していただいた方々に心より感謝いたします。



第7回若手シンポジウムに参加して

佐藤弘明(名古屋大学大学院生命農学研究科 生殖科学/基礎生物学研究所 行動生物学研究部門)

 日本繁殖生物学会と若手企画シンポジウムに今回初めて参加させて頂きました。これまで面識のない研究者の方たちと自分の研究について話をする機会がほとんどなかったため、若手企画シンポジウムの参加はとても有意義な経験となりました。

 ファイルオンザデスク方式での発表がどのような雰囲気で行われるのか想像が出来なかったため、初めは緊張していました。しかし、当日の発表の場になってみれば、若手シンポジウムの司会進行の方や運営準備されている方の進め方が若手向けに合わせていただいたために、それまでの緊張感はなくなり、開始冒頭の1分間スピーチも肩の力をぬいて話すことができました。その後はお酒の力も借りることで、自分の研究に対しては深い議論が交わせましたし、他の方の研究に対しても普段は聞けないような恥ずかしい内容の事柄まで聞くことができました。

 このように気軽にコミュニケーションが取れる場は口頭発表のための練習として大変有意義なものだと思いました。今後も、このような場をさらにバージョンアップさせていき、普通の学会では味わえないような若手用の企画が伝統として継承していくことを願っています。

 最後になりましたが、大会の開催にご尽力くださった方々に深く感謝いたします。




若手企画シンポジウム参加感想文

猿渡悦子(東京海洋大学 水族養殖学研究室)

 私は魚の繁殖生物学について研究を行っています。魚は、繁殖生物学会に参加しておられる多くの皆さんにとって、ほとんど馴染みのないモデル動物であると思います。そのような中で、今回、若手企画シンポジウムに参加し、さらに自分の研究を紹介する機会をいただきました。プレゼンテーションの準備をしながら、皆さんが私の話に興味を持っていただけるのか不安でしたが、実際に始まってみると、多くの方々が話を聞きに来てくださり、自分の研究に対する様々な方からの素直な反応を直に感じ取ることができました。その中で、私の研究対象動物である魚類と、参加者のほとんどが研究対象としている哺乳類で多くの共通点、あるいは相違点が存在することを改めて発見し、自分の研究を違った視点から見直す良い経験になりました。また、話を聞きに来てくださった方たちも、魚類と哺乳類の共通点・相違点を認識することで、少しでも魚のことについて興味を持っていただけたのではないかと思います。やはり、自分の発表を多くの人々に聞いてもらい、自分の研究に関して質問や意見を交わしあうことは、非常に楽しい時間であると共に、さらに興味の幅を広げたり、新しい知り合いを得る良い機会であると思います。会場内は、終始明るい雰囲気で、周りの声で自分の話ができないほどにいたるところで積極的な議論が繰り広げられていました。このような熱く、活発な会に参加でき、とても貴重な時間を過ごせたことに感謝しております。最後に、今回、若手企画シンポジウムの企画・運営に関わった皆様に感謝いたします。



第7回若手企画シンポジウムアンケート回答の集計結果(アンケート回収枚数44枚)


I-1. 年 齢

24歳以下 17名
25〜29歳 13名
30〜34歳 6名
35〜39歳 2名
40歳以上 5名
無回答 1名


I-2. ポジション

学 生 11名
大学院生 20名
ポスドク 4名
教 員 5名
研究員 3名
会社員 1名


II-1. このシンポの参加回数について

初めて 34名
2回目 2名
3回以上 7名


II-2. このシンポの参加理由について、教えてください。(複数回答可)

他の研究室を知りたい 17名 (その他)
友人に誘われた 6名 学会員として支えたい
同世代の研究者と知り合いたい 13名 先生に勧められた
何か発見がありそう 18名 米澤さんに強引に
通常の学会と違う雰囲気を味わいたい 7名 腹が減ったから
自分の研究室の紹介がある 9名 パネラーなので
当日の広告を見て 1名
先輩の研究者の意見が聞きたい 5名


III-1. 今回のシンポの感想をおきかせください。

大変よい 19名
よい 20名
ふつう 5名
悪い 0名
大変悪い 0名


III-2. 今回、具体的にはどう感じましたか?(複数回答可)

他の研究室の仕事を理解できた 17名 (その他)
面白いテーマや手法を発見した 14名 ・vivoの研究テーマもあるとよかった
多くの人と話ができた 17名 ・獣医以外の人の考えを聞けてよかった
新たな知人ができた 7名 ・他の多くの学会でも若手用のシンポはありますが、このようなフレンドリーなモノは初めてでした。大変いいことだと思います。
学会を身近に感じた 10名
企画の目的が不明瞭 0名
時間が短い 0名
深い議論ができなかった 2名


III-3. 会場設営や飲食物には満足できましたか? ご要望があればお書きください。

大変よい 9名 (その他)
よい 22名 ・もうちょっと食べるものがほしい
ふつう 11名 ・きしめんがほしい
悪い 2名 ・お腹いっぱいです
大変悪い 0名 ・もっと食べたかった
・量をもう少し・・・
・串カツうまかった


IV-1. 次回のシンポではどのような形式を好みますか?

今年のような、机を囲んで話し合うフリートーク形式 36名 (その他)
ポスターセッションのような、立食パーティー形式 7名 ・シニアの本音トーク
若手講演者を招いてそれを聴く、ディナーショー形式 3名 ・イスがほしい


IV-2. 次回のシンポではどのような話題を好みますか?(複数回答可)

今回のような若手による研究紹介 29名
繁殖生物学の先端研究 11名
女性研究者の行く末 8名
進路や就職に関する世の中の動向 11名
繁殖学の現場応用の実態 8名
ベテラン研究者の若手時代の話 12名
ベテラン研究者に質問大会 5名
メジャー雑誌に掲載されるための秘訣 6名


V. その他、本企画にご意見・ご要望がありましたらお書きください。

  • 結構混んでいて、話をしたくてもできなかった。
  • 運営関係者の皆様、大変お疲れ様でした。
  • 大変楽しく過ごせました。ありがとうございました。
  • 初めて参加させていただき、大変刺激的でした。
  • おにぎりがもうイッコあるとよかった。
  • 素朴な疑問ができてよかったです。
  • 次回は演題一覧がほしい
  • 会場がややせまく感じました
  • はじめの紹介の意味がない

<<第7回若手企画シンポジウムアンケート結果(pdfファイル)>>



問い合わせ先

    日本繁殖生物学会
    若手奨励策検討委員会委員長
    大蔵 聡(農業生物資源研究所・脳神経機能)




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