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Meeting

  • 「動物の繁殖の研究ってこんなに広がるの!?」
  •  SRDでは繁殖生物学の持続可能な発展のための基礎研究という観点から、産業動物の繁殖学研究や技術から派生し、動物園の現場、宇宙科学、医療領域などにおいて、社会的貢献につながる基礎研究や新技術の開発を紹介する公開シンポジウムを企画いたしました。学術の重要性や社会的意義などについて、中高生や一般市民の皆様に、分かり易くご理解を頂ける機会にしたいと思います。皆様奮ってご参加ください。

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  • SRD公開オンラインシンポジウム 2024 
    「動物の繁殖の研究ってこんなに広がるの!?」
  • 日時:2024年5月11日(土) 13:00~15:20
    Zoomによるオンライン配信、参加費無料
    事前登録が必要ですので、以下のサイトから参加登録をお願いします。
    登録の締め切りは5月8日(水)までとなります。

  • 参加登録はこちらから


  • 講演1: 「動物の繁殖学研究と動物園への広がり:希少動物の生息域外保全と繁殖学研究」
  • 山本 ゆき 会員(東京農工大学農学研究院動物生命科学部門)
  •  「動物繁殖学」と聞いて、どんな動物が思い浮かぶでしょうか?実験動物、家畜、コンパニオンアニマルなどさまざまな動物がいますが、今回は動物園動物についてお話します。動物園/水族館には 4 つの役割があるとされ、一般的に馴染み深いのは「レクリエーション」と「教育」です。さらに私たち繁殖学研究者には、「研究」「種の保存」の2つが関わってきます。絶滅危惧種を施設で保護し、繁殖させることで絶滅を回避する方法を「生息域外保全」といい、動物園はこの域外保全の場としての役割を担っています。しかし飼育下での自然繁殖が難しい動物もいるため、そのような動物の生殖生理状態の把握や人工授精といった応用技術が今後重要になってきます。今回のセミナーでは、私たちが実施している動物園との共同研究を紹介し、これまで実験動物や家畜中心に行われてきた繁殖学研究が絶滅危惧種の保護にどのようにつながるかをお話しいたします。

  • 講演2: 「哺乳類の宇宙繁殖の可能性と問題点 ~人類は過酷な宇宙環境で繁栄できるのだろうか~」
  • 坂口謙一郎 会員 (北海道大学大学院獣医学研究院)
  •  人類は将来宇宙へ進出し、スペースコロニーや月、火星、さらには太陽系の外で生活するようになると誰もが考えています。しかし、果たして過酷な宇宙で子供を産み育て繁栄することは可能なのでしょうか。宇宙放射線は精子や卵子のDNAを傷つけるため、健康な子供を作れない可能性があります。無重力あるいは月や火星の低重力では、胎児は正常に発育出来ない可能性があります。

     一方、将来人類が他の星へ移住する場合、ペットや家畜も連れて行くことになりますが、他の星で繁殖させ品種を維持するためには、近親交配による絶滅を避けるため、品種ごとに数百匹連れていく必要があります。しかし大きなウシやブタを品種ごとにそれぞれ数百頭、ロケットに乗せて連れていくことは不可能です。

     そこで我々は実際に国際宇宙ステーションを使って、動物の宇宙繁殖についての研究、すなわち精子を宇宙放射線に長期間被ばくさせてから子供を作る実験や、受精卵を無重力の宇宙ステーションで培養する実験を行ってきました。本講演では、我々が宇宙で実験を行うために開発した新技術を用いて、実際に宇宙で行った動物の宇宙繁殖研究について紹介します。

  • 講演3: 「動物の繁殖学研究と医療への広がり」
  • 長嶋 比呂志 会員 (明治大学農学部生命科学科)
  •  2022年1月に10種類の遺伝子が操作されたブタの心臓が歴史上初めて人に移植されました。さらに2024年3月にも、遺伝子操作されたブタの腎臓の人への移植が行われました。このような動物の臓器を用いる移植、すなわち異種臓器移植は、臓器移植医療における提供臓器不足を背景として、これまで約30年間にわたり活発に研究されてきました。遺伝子操作したブタの心臓や腎臓のサルへの移植試験では、3年近い生存が確認されており、今後異種臓器移植の臨床応用は急速に進むものと予想されます。このような異種臓器移植用のブタの開発は、動物の繁殖学研究の最も顕著な成果のひとつである、体細胞クローニング技術を駆使して行われました。本講演では、動物の繁殖学が医学や医療の発展に果たした役割についてお話しします。

  • 主催:公益社団法人日本繁殖生物学会
       日本学術会議食料科学委員会畜産学分科会
  • 共催:日本畜産学アカデミー
  • 後援:公益社団法人日本畜産学会

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  •  公益社団法人 日本繁殖生物学会
  •  問合わせ srdoffice@reproduction.jp

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